遺産を渡さない方法「生前廃除」

 DV夫に遺産を相続させたくない場合に

 「生廃除」という方法があるそうです。

 

 おひとりさまの中には、DVから逃れるため

に配偶者と別居しているけれど、離婚が成立

していないケースもあるだろう。

 子供や親がおらず、相続人が配偶者のみだ

った場合、遺言書を残さずに他界すると遺産

は全て配偶者のものになってしまう。

 遺言書で遺産DV夫に相続させたくないと記

したとしても、相続人には最低限相続できる

遺留分という権利がある。配偶者が遺留分を

請求すれば、遺産の一部を確実に相続するこ

とができてしまう。

 苦しめられた人に私の遺産が渡るなんて、

と憤りを感じるかもしれない。実はこうした

事態を避ける方法がある。それが「生前廃除」

だ。

 引用元 週間ダイヤモンド 2022/07/16・23 合併号 p61

 

 <「生前廃除」の三つのポイント>

 1⃣「推定相続人の廃除」の方法

  ①生前廃除 被相続人が生前に家庭裁判所

        に申し立てる

  ②遺言廃除 被相続人が遺言によって行い、

        申請は、遺言執行者が行う

 2⃣「推定相続人の廃除」の対象者

  遺留分を有する推定相続人

  (被相続人の配偶者、子とその代襲相続人、

  父母、祖父母、曾祖父母)

  ※兄弟姉妹は遺留分を有していない

 3⃣「推定相続人の廃除」が認められる要件

  〇被相続人に対する推定相続人の虐待

  〇重大な侮辱を与えた 

  〇著しい非行があったなど

 <夫婦間で廃除が認められた事例>

  〇長期間にわたる浮気 〇駆け落ち

  〇妊娠中絶の強要 〇継続的な激しい暴力

  〇預金を無断で引き出し着服など

   週間ダイヤモンド 2022/07/16・23 合併号 p61     
              より抜粋

 

 しかし、実際は一筋縄ではいかないみたいで

 す。

 司法統計によれば、2020年度に家庭裁判所

で「推定相続人の廃除及びその取消し」を

申請して決着がついたのは185件。このうち

認められたのは43件と2割程度で、却下や

申請の取り下げの方が圧倒的に多いのだ。

     引用元 週間ダイヤモンド 2022/07/16・23 合併号 p61

 

 43件とはあまりに少ないですね。

 何がネックになっているのでしょう。

 事実関係が認められにくいからでしょうか。

 単に、好き嫌いの感情的なことだけでは却下

 されてしまうのでしょうか。

 残念ながらハードルが高いようですね。

 でもこれは、「配偶者だけでなく、暴力を

 振るう子供などが対象でも申請できる」

 (週間ダイヤモンド 2022/07/16・23 合併号 p61)

 そうです。

 女性にとってはよい制度だと思うのですが、

 妻が夫に遺産を相続させたくない、という

 ケース自体が少ないのかもしれません。

 しかし、2次相続の場合に「暴力を振るう

 子供」に適用できるのではないでしょうか。