島田陽子さん

 女優・島田陽子さんが7月25日に69歳で亡く

 なられました。

 いろいろな記事がネットにあがっています。

 妹さんがいるらしいのですが、疎遠で、遺骨

 は渋谷区が一時保管していて、その後は所属

 事務所が受け取ったそうです。

 がんを患っていたのならば、余命を視野に入

 れて死後のことを考えておかなかったのでし

 ょうか。

 

 <遺骨の引き取りを法的に義務付けることは

 難しいと考えます>

 『孤独死をめぐる法律と実務』から引用しま

 す。

 祭祀財産の承継には、相続の承認や法規の

規定は適用されません。祭祀承継者は祭祀財

産を放棄することはできないとされています。

 そうなると祭祀承継者は、遺骨の所有権者

となります。

 所有権は他人を害する形で一方的に放棄で

きないとされています。遺骨を自治体が管理

するとなるとコストもかかりますので、自治

体に迷惑をかけるような形で遺骨の所有権を

一方的に放棄することができないと考えれば、

自治体は祭祀継承者に対して、その所有物で

ある遺骨を引き取るように請求することも認

められそうです。

ただ、自治体が故人の親族に対して遺骨を引

き取るように請求してみても、実際に祭祀継

承者ではないと主張され遺骨の引き取りを拒

否された場合、自治体が親族に対して、遺骨

の引き取りをさせることは困難かと思います。

 『孤独死をめぐる法律と実務』p155、156
 (著者 武内優宏  発行所 日本加除出版)

 

 配偶者・子ども、親がいない場合、兄弟姉妹

 が相続人になります。(民法889条1項2号)

 しかし絶縁状態で引き取ってもらえなかった

 ようです。遺産相続は別としても遺骨は引き

 取らないと自治体に迷惑がかかるのですがね。

 著名人であるからマスコミにいろいろ書きた

 てられているようです。お気の毒としか言え

 ません。

 「葬儀は近親者で済ませ、お別れの会を9月

 27日に予定しています。」

 となれば良かったのに・・・・・・

 

 こうなることはわかっていたはずなのに、

 なぜ、準備をしておかなかったのでしょう。

 特にファンであったわけではありませんが

 非常に残念です。

 親族をあてにできないと思われる人は是非

 遺言を書いておきましょう。

 終活の重要性を痛感した出来事でした。